*妊活と不妊について

不妊や流産の原因にもなる高プロラクチン血症とは?症状や治療は?

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高プロラクチン血症が原因で、月経不順や流産・不妊を引き起こすケースが少なくありません。

プロラクチンが正常値より上がったり下がったりすると、女性のさまざまな機能が低下します。自覚症状がなく多くの人が気づかないため、妊娠を希望するのであれば症状や検査方法などをしっかり知っておくことが大切です。

今回は、この高プロラクチン血症の原因や治療法などについて、詳しくお伝えしていきます。

高プロラクチン血症とは?

プロラクチンは脳下垂体から分泌されるホルモンのひとつ。別名「乳汁分泌ホルモン」ともいわれ、漢字の通り母乳をだすために乳腺を発達させるなどの役割があります。

最近の研究ではほかにも、卵巣や子宮の回復、男性の精巣や前立腺など生殖機能に働きかけるホルモンであることが報告されています。

プロラクチンの血中濃度の高さで判断されるのですが、正常数値は約30ng/mlより高ければ「高プロラクチン血症」と診断されます。(測定方法で数値が違います。)

また、プロラクチンの分泌量は毎日違うため、検査をした時間によって正常値なのに排卵障害(月経不順や不妊など)を抱えている人も少なくありません。このような状況を「潜在性高プロラクチン血症」と呼び、薬などを使った詳しい検査をおこない数値を確認します。

高プロラクチン血症の症状は?

高プロラクチン血症はホルモンの分泌量が関係しているため、どこかが痛いなどの症状はありません。ほとんど自覚症状がないのですが女性の場合、いつもと違う体の変化で気づくことが多いです。

たとえば、こんな症状で悩んでいる人は高プロラクチン血症の可能性があります。

生理不順

プロラクチンの分泌量が多くなると排卵がおこらないため、生理が止まったり年に数回しか来ないなどの症状があらわれます。また、無排卵なので基礎体温のグラフが低温期や高温期の2層に分かれず、一直線の状態が続きます。

妊娠していないのに母乳が出た!

とくに、過去に妊娠・出産をした人に多く見られる症状のひとつですが、現在、妊娠をしていなくても母乳が出る場合があります。

また、生理不順や生理痛を緩和するためにピルを服用している人も、妊娠していないのに母乳が出る現象がおこる場合があります。ピルには女性ホルモンが配合されているため、妊娠に近い体質となりこのような症状が出てしまう場合があります。

プロラクチンの数値が正常範囲内なのに母乳が出始める時は、キレイな基礎体温グラフができる時(2層に分かれている)や生理が毎月来ているのであればとくに問題ないといわれています。

なかなか妊娠しない

高プロラクチン血症は排卵障害を引き起こすため、妊娠する確率が下がるといわれています。プロラクチンを正常値にすると妊娠率も高くなりますが、すべての不妊症に関係しているとは限らないため、まずはひとつの原因として治療を考えていきましょう。

流産を繰り返す

流産と高プロラクチン血症の因果関係は証拠がないので絶対とは限りません。ですが、習慣流産(流産を何度も繰り返す)する人の数値が高い統計があります。不育症の治療ではプロラクチンの分泌をおさえた治療がおこなわれていることから、症状のひとつとして流産しやすいとされています。

高プロラクチン血症の原因は?

高プロラクチン血症の原因として一番多いことが、脳下垂体の細胞異常です。プロラクチンは下垂体から分泌されるのですが、細胞が必要以上に増殖してしまい分泌量が増えてしまいます。このような状態を“プロラクチノーマ”と呼びます。

一般的に生理不順や不妊などに悩む女性に多く見られる症状のひとつですが、男性でもおこる可能性があります。発症は20代からと年齢に関係なくおこり、男性も女性同様に生殖機能の働きに影響します。

ほかにも、高プロラクチン血症にはいくつかの原因があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

高プロラクチン血症と鬱(うつ)などの薬剤

鬱(うつ)や適応障害などや胃腸炎などの処方薬により、プロラクチンの濃度が高くなる可能性があります。これらの薬にはドーパミンをおさえる働きがあり、これにより生産量をコントロールされていたプロラクチンが増えて血中濃度が高まってしまうのです。

高プロラクチン血症と視床下部の異常

さまざまなホルモンを分泌する脳の下垂体に腫瘍ができたことでホルモンバランスが崩れ、プロラクチン量が増加する場合があります。腫瘍といっても良性でおとなしく大きくならないことが多いため、特別な手術はあまりおこなわれません。

また、視床下部が弱ると下垂体にも影響し、代謝を正常に保つ働きを持った甲状腺の働きが悪くなります。このままでは脳から甲状腺刺激ホルモン(TSH)が分泌されてしまい、甲状腺を活性化させるTSHホルモンのほか、プロラクチン量も増やしてしまいます。この流れによって、プロラクチンの血中濃度が高くなるのです。

高プロラクチン血症とストレス

ストレスを体が感じると脳内から分泌されるホルモンバランスが乱れます。プロラクチンの数値が正常より高く、現在飲んでいる薬や脳へ腫瘍などが見つからない場合、ストレスが関係している可能性が高いです。
とくに強いストレスを感じた時に数値が高くなる傾向があります。日中は安定しているのに夜だけ数値が高くなる場合、潜在性高プロラクチン血症と判断される場合があります。

高プロラクチン血症で流産しやすくなるの?妊娠の確率は?

流産の原因はさまざまありますが、そのひとつに高プロラクチン血症が関係しているといわれています。

刺激ホルモン・プロラクチンは乳汁を分泌させるほか、授乳中の体に負担がかからないよう妊娠をおさえる働きがあります。この数値が通常より高ければ、授乳期間中でなくても卵巣機能が低下し排卵がおこなわれなかったり着床できないなど、妊娠しづらい体を作ってしまいます。

流産との関係性は現在のところ証明されていませんが、何度も流産を繰り返す習慣性がある場合、高プロラクチン血症の可能性も視野に入れられ、薬により数値を下げてみるなど治療がおこなわれます。

妊娠中や産後はプロラクチンの数値が高くなる傾向がありますが、出産からしばらくたっても妊娠しない場合、血中濃度が高く体が妊娠中であると勘違いしている可能性があります。

ホルモンバランスの異常なので、この状態が続いていると妊娠する確率は通常よりも低くなります。プロラクチン値が正常よりも高くなる原因はいくつか考えられますが、妊娠や産後の疲れや食生活の乱れなども関係しているため、まずは生活習慣を見直し改善してみましょう。

高プロラクチン血症の検査方法は?

プロラクチンは脳の下垂体から分泌されるホルモンなので、脳神経外科を受診するとCTやMRIなどで詳しい検査がおこなわれます。

しかし、女性の場合はなかなか赤ちゃんを授からなかったり、何度も流産を繰り返すなどで産婦人科や不妊外来を受診したことで、高プロラクチン血症とわかる場合が多いです。

高プロラクチン血症の検査では採血をし、血液中の濃度が基準値より高いかどうかで診断されます。ただ、プロラクチンの数値変動が時間によって違うことが多いため、1回だけではなく何度か採血をおこない検査する必要があります。

次に、高プロラクチン血症の原因を知るために、MRIなどの画像診断をおこなう場合があります。脳の下垂体にできた腫瘍が原因の場合もあり、最適な治療方法をおこなうために必要な検査です。

現在、服用している薬がなく脳下垂体に腫瘍も見つからない場合、潜在性高プロラクチン血症の可能性が考えられます。しっかりとした結果を判断するために、TRH負荷試験を利用して検査をおこなっていきます。

この検査では、TRHという甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン/500ugを静脈内注射して30分後に採血します。普段の体のプロラクチン量と薬剤投与後の数値がどれくらい高くなるか比較します。

正常時の血液検査ではプロラクチン値が正常でも、負荷をかけることで数値が高ければ潜在性高プロラクチン血症と診断され、薬などを利用した治療を考えていく必要があります。

男性も高プロラクチン血症になる?どんな症状があるのか

高プロラクチン血症は母乳を作ったり分泌するのに必要なホルモンであるため、一見すると男性には無縁の話に感じますよね。しかし、男性の体にもプロラクチンは分泌されており、数値が高くなると女性のように生殖機能が低下するなどの影響が出てきます。

流産や不妊の原因は女性側と思われていることが多いのですが、最近は男性不妊症が注目されいろんなな研究がおこなわれています。その中のひとつが高プロラクチン血症です。

男性のプロラクチン値が高くなると、このような症状が起こってしまいます。

  • 性欲が減少する
  • イライラするなど精神面が落ち着かない
  • ED(勃起不全)
  • 食欲不振や頭痛
  • 母乳が出る(数値が高ければ男性でも出る場合があります)

男性も女性と同じく数値は日によって異なり、正常値は3.6~12.8ng/mlといわれています。検査をしてこれよりも数値が高ければ高プロラクチン血症と診断され、不妊症を改善する治療などがおこなわれます。

高プロラクチン血症の治療法は?薬は?

高プロラクチン血症と診断されると「薬物療法、手術療法、放射線療法」のいずれかで治療をおこなっていきます。それぞれどんな方法なのか見ていきましょう。

薬物療法

ドーパミンの働きを整える薬を服用し、プロラクチンの分泌量を落ち着かせます。処方される薬にはいくつか種類があり、副作用として吐き気や頭痛、倦怠感などがありますので医師と相談しながら服用する薬を決めていきます。

手術療法

高プロラクチン血症の原因が下垂体にできる腫瘍だった場合。状況に応じて摘出手術をおこないます。腫瘍は良性が多いため転移などの心配はほとんどありませんが、手術なので数日間の入院が必要です。

放射線療法

脳下垂体にできた腫瘍の大きさによって手術をしなくてもよい場合は、放射線療法で小さくする治療法がおこなわれます。効果までの時間がほかの治療法より長いため、妊娠を早く望む人には不向きです。早期改善に向けて薬を併用する場合がありますが、副作用が強いことから漢方薬など体に負担のかからない方法でおこなわれる場合もあります。

高プロラクチン血症に効く漢方は?

薬による治療法がありますが副作用の心配から、漢方薬が処方される場合があります。天然植物が持つ効能により体質改善をゆっくりおこわれるため、副作用の心配がほとんどありません。高プロラクチン血症に効果的といわれる漢方薬をいくつか紹介します。

【炒麦芽(いりばくが)】

生の麦芽を炒ったものをいいます。中国では断乳するときに炒麦芽を使用し、ホルモンバランスを整えたりするのに使われています。

【当帰(とうき)】

セリカ科トウキ属の根を乾燥させたものをいいます。冷え性や月経不順、産前産後の悩みなどの症状に効果が期待できます。

高プロラクチン血症の治療にはカバサールを処方される

病院での薬物療法では、カバサール(カベルゴリン)などが処方されます。ドーパミン系神経に働きかけ、プロラクチンの分泌量をコントロールします。副作用として吐き気や食欲不振、便秘やめまいなどの症状がおこりやすく、おもに胃腸へのダメージが大きいです。

高プロラクチン血症と診断されても治療しないとどうなるの?

高プロラクチン血症の原因にもよりますが、今すぐ妊娠を望まないのであれば放置してもとくに問題はありません。ただし、生理不順など女性特有の悩みは続くので、できれば治療をすることをおすすめします。

また、脳下垂体にできた腫瘍が原因の場合、大きさによっては摘出手術が必要な場合もありますので放置するわけにはいきません。MRIなど詳しく脳の検査をおこない、しっかりとした治療をしていきましょう。

ほかにも、鬱(うつ)病など精神疾患の薬が原因でプロラクチン値が高くなっている場合は、どちらを治療していくか判断しなくてはいけません。繰り返す流産や不妊に悩むことがストレスで精神面を苦しめている可能性もありますので、医師としっかり相談して今後の治療法を決めていきましょう。

まとめ

流産や不妊の原因が高プロラクチン血症の可能性があるといわれていますが、しっかりとした治療をおこなうことで妊娠は可能です。女性だけではなく男性にも分泌されるホルモンなので、パートナーと一緒に体質改善をおこなっていくことが理想的です。

これから赤ちゃんを授かるためにも、血液検査などをおこない自分の体のことを知っておきましょう。

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